宅録=自宅録音。最近はプロの声優やナレーターも宅録案件を受ける時代。
ナレーションやボイスサンプル、YouTubeやオーディオブックなど、
声の仕事は自宅で完結することが増えています。
宅録環境を整えることで、プロ並みの音質で録音でき、仕事の幅も広がります。
自宅で始められる手軽さが魅力ですが、最低限の機材と環境を整えることが重要です。

自宅で録音するってなんだか難しそう…



大丈夫!必要な物さえわかれば誰でもすぐに取りかかれますよ。
まずはナレーターとして必要な基礎スキルや心構えを知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください
ナレーターを目指す人へ – 初心者がまず知るべきこと
- 宅録をするための必要機材
- 環境の作り方
- 録音のコツ
ではさっそく見ていきましょう!
必要機材
必要機材といってもそこまで多くはないです。
ただ、作品のクオリティに直結するものなのでしっかり理解しておいてください。
- USBマイク PCに直接接続できるので、設定が簡単で初心者向け。音質はナレーション用としても十分ですが、長時間録音や複雑な音質調整には限界があります。
- コンデンサーマイク クリアで自然な声質を録音できる本格派向け。使用にはオーディオインターフェイスが必要ですが、声の細かいニュアンスまで拾えるため、プロ向けナレーションに最適です。
- オーディオインターフェイス コンデンサーマイクを使う際に必要。マイクの音を安定してPCに取り込み、音質を保つ役割があります。初心者は小型で使いやすい Scarlett 2i2 や UR22C などがおすすめです
- 防音・吸音対策 部屋の反響を抑えるだけで、音質は格段に改善します。簡易的にカーテンや布を壁や机まわりに置くのでも効果あり。余裕があれば、吸音パネルや簡易ブースを導入するとさらにクリアな録音が可能です。
USBマイクは導入コストや手軽さが魅力。
一方、コンデンサーマイクは声のニュアンスや質感を豊かに捉える本格派向け。
まずUSBで慣れてから必要に応じてステップアップするやり方もおすすめです。
防音・吸音対策では、簡易的に布やタオルを使って吸音するだけでも効果があります。
編集ソフト(DAW)の選択肢
音を“録る”だけではなく、“作品として仕上げる”ためには編集ソフトが必要です。
- Audacity(無料)– 初心者向け。基本的な録音やノイズ除去が可能で、操作もシンプル。
- Adobe Audition(有料)– ノイズ除去や音量調整が簡単で、プロ品質の編集が可能。
- Garage Band、Cubase等– ナレーション以外の音楽制作にも対応。多機能で、細かい編集やエフェクトも自在。
DAWとは?
DAW(Digital Audio Workstation)は、録音・編集・ミックスなど音声制作全般を行うためのソフトです。ナレーション収録では「録音して整える」程度の使い方が多いですが、音楽制作や効果音編集まで幅広く対応できます。
初心者向けには、まずは簡単に扱えるソフトから始めるのがおすすめです。
例えば、無料で使える Audacity は録音やノイズ除去、音量調整が可能で手軽に始められます。
より本格的に仕上げたい場合は、プロも使用する Adobe Audition や、
Macユーザーなら直感的に操作できる GarageBand も選択肢になります。
DAWの使い方の目安
- 録音
- 不要なノイズやブレス音のカット
- 音量の均一化やピークの調整
- 必要に応じて簡単なエフェクトを追加
- 書き出して納品
といったステップで進めると、宅録でも十分プロ品質に近い音声を作ることができます。



必要な物はわかったけど、多すぎてどれを選べばいいのか…



ご安心ください!予算別でざっくりとセットを作ってみました!
予算別宅録セット例
予算別に具体的なセットがあるとイメージしやすいですね。
機材セットについて考える前に、まずは スキルの基礎や初心者の心構えを固めておくと、
機材選びがより手戻りの少ないものになります。 → [初心者向けガイドはこちら]
マイク | オーディオ I/F | 録音ソフト | 予算 | |
初級 | ZUM-2 AT2020USB-X Blue Yeti | 無 | Audacity | 約1〜3万 |
中級 | RODE NT1-A AT4040 AKG C214 | Scarlett 2i2 MOTU M2 SSL 2+ MkII | Adobe Audition GrageBand | 約5〜10万 |
上級 | Shure SM7B Neumann TLM102 | Apollo Solo iD44mkII Babyface Pro | Logic StudioOne Cubase | 10万以上 |
初心者は手軽にOKなUSBマイクからスタート、
中級以降は環境音を抑えた質の良い録音に挑戦できる
マイクとオーディオI/Fをセットで用意するのがステップアップの鉄板です。



想像よりも安く始めれそうだね



最初から高い機材を集める必要はないです。慣れてきたら少しづつグレードを上げていきましょう。



ただ、機材沼にはお気をつけて。。
マイク、オーディオI/F、ソフトについてもっと詳しく知りたい方は
それぞれ個別記事があるのでそちらでチェックしてください!
録音のコツ
ナレーションの音質は、機材だけでなく録り方次第で大きく変わります。
同じマイクを使っても、録音環境やマイクの使い方次第で声の印象や聞きやすさが変わるので、
少しの工夫が大きな差になります。
- マイク位置:口から20〜30cm離し、角度を少し斜めにすると息のノイズや破裂音を抑えられます。近すぎると「ポップノイズ」が入り、遠すぎると声がこもりやすくなります。
- ポップガードの使用:「P」「T」などの破裂音を防ぎ、聞きやすい声に。1000円前後で購入可能でコスパ良し。
- 部屋の環境音を減らす:換気扇、エアコン、窓の外の音など、録音中に止められるものはなるべくOFFに。布やカーテン、簡易ブースで反響を抑えると声がクリアになります。
- マイクスタンド・角度:手持ちではなくスタンドを使い、マイクを固定すると声の距離や角度を一定に保てます。これにより音量や音質のバラつきが減ります。
- 声の出し方:力を入れすぎず自然に。滑舌を意識して、聞き取りやすいテンポで話すと後で編集しやすくなります。。
録音のコツは小さな積み重ねですが、後で編集する手間を大幅に減らす効果があります。
最初は完璧を目指さず、録音しながら「ここをこうすると聞きやすくなる」
という感覚を掴むことが大切です。
慣れてくると、少ない機材でもプロ並みの音質に近づけるようになります。
録音環境を整えるアイテムも数点挙げておきます
録音環境をしっかり整えるためにこちらの記事もチェック!
👉 [録音環境の防音/吸音対策]
まとめ-最低限これがあれば仕事できる
あれこれ書いてきましたが、宅録環境は最初から完璧に揃える必要はありません。
まずは始めてみるということが一番大事なので
ハードルは上げすぎずに、今できる範囲内で始めてみてください。
- PC+USBマイク+録音ソフト(Audacityなど)
- 静かな部屋と簡易的な吸音対策
これだけで、ナレーションやオーディオブックの宅録仕事は始められます。
慣れてきたら、自身のスキルの向上と共に、機材もアップグレードしていきましょう!
機材の準備ができた方は仕事の取り方ガイドを読んでさっそく仕事探しをはじめましょう!
本記事で紹介した商品まとめ
Mic




オーディオ I/F

