ナレーション収録では「録音」と同じくらい大切なのが「モニタリング」。
ヘッドホンは自分の声を正しく聴き、ノイズや環境音をチェックするための必須アイテムです。
この記事では 価格帯別(初級〜超上級) に、宅録ナレーター向けのおすすめヘッドホンを紹介します。

ナレーションって、どんなヘッドホンを使えばいいの?



宅録用には“フラットに聴ける密閉型”がベスト。価格帯ごとにおすすめを紹介しますね
- ナレーターにヘッドホンが必要な理由
- モニタリングで重視すべきポイント
- 初心者〜プロ向けおすすめモデル
ナレーターにヘッドホンが必要な理由
ナレーション収録では「聞く耳を持つこと」がクオリティに直結します。
- 自分の声を正しくモニタリングできる
- ノイズや環境音に気づきやすい
- 案件納品の前に品質を確かめられる
特に宅録では、自宅特有の環境音やマイク周りのノイズをいち早く察知できることが重要です。
選び方のポイント
密閉型と開放型
宅録では「密閉型」がおすすめ。
音漏れが少なく、マイクへの回り込みを防げます。
音のフラットさ
音楽鑑賞用のヘッドホンは低音や高音が強調されがち。
ナレーションでは「フラットに聴けるモデル」を選びましょう。
装着感と疲れにくさ
長時間収録することもあるため、イヤーパッドの素材や締め付けの強さも重要です。
価格帯別おすすめモデル
🥉 初級(〜1万円前後)
SONY MDR-ZX110NC
ソニーの低価格ノイズキャンセリング搭載モデル。
シンプルな作りながら、外音をある程度抑えられるので練習環境を整えやすいのが特徴。
解像度は高級機には劣るものの、宅録の「耳慣らし」や入門機として十分活躍できます。
👉 おすすめの人:最小限のコストで宅録を始めたい初心者
- 音質:やや低音寄りだが、ナレーションの確認には十分
- 快適性:軽量で持ち運びもしやすい
- 注意点:構造上モニタリング精度は中級以上には及ばない
audio technica ATH-M20x
定番シリーズ「Mシリーズ」の入門機。
低価格ながらモニター用途に設計されており、声をフラットに聴きやすい。
装着感もシンプルで扱いやすく、最初の1本に選ばれやすいモデルです。
👉 おすすめの人:安価で「モニターヘッドホン」を体感したい人
- 音質:フラット寄りで、声の輪郭をつかみやすい
- 快適性:軽くて扱いやすく、宅録練習に最適
- 注意点:耐久性や細かい解像度は上位機に劣る
AKG K240 STUDIO
セミオープン型の定番モデル。
音の広がりが自然で、編集時に心地よいリスニングが可能。
音漏れや回り込みのリスクがあるため録音時よりは「編集用」に適しています。
👉 おすすめの人:編集作業を中心に宅録をしたい初心者
- 音質:自然で広がりのあるサウンド、声をリラックスして聴ける
- 快適性:軽量で長時間使用に適している
- 注意点:セミオープンなので録音モニター用には不向き
🥈 中級(1〜2万円前後)
AKG K271 MKII
密閉型でありながら自然な音場を持つモデル。
声がこもらず、モニタリング時にニュアンスをしっかり確認できます。
オートミュート機能が搭載され、装着を外すと自動的に音が止まるのもユニーク。
👉 おすすめの人:宅録で「自然な声の再現性」を重視するナレーター
- 音質:フラットで自然、声の明瞭さに優れる
- 快適性:イヤーパッドが柔らかく長時間でも疲れにくい
- 注意点:やや大きめのサイズ感なので持ち運びには不向き
SONY MDR-7506
放送業界定番のロングセラーモデル。
高音域がやや強調されており、ノイズの確認が非常にしやすいのが特徴です。
折りたたみ式で持ち運びにも便利で、宅録でもプロスタジオでも安心して使える一本。
👉 おすすめの人:案件受注を始めたナレーター、放送基準の音を体感したい人
- 音質:クセが少なく、ノイズ検出に強いフラット寄り
- 快適性:軽量で長時間装着しても疲れにくい
- 注意点:高音のシャープさを「きつい」と感じる人もいる
audio technica ATH-M50x
世界的に人気のモニターヘッドホン。
音楽制作でも広く使われており、低音の厚みがありながら全体はバランス良くモニタリング可能。
替えパーツが豊富で耐久性も高く、長期間使える安心感があります。
👉 おすすめの人:宅録と音楽制作を両立したい人、長く使える1本が欲しい人
- 音質:低音がしっかり出るがフラット寄りで声を正確にチェック可能
- 快適性:頑丈でイヤーパッド交換も容易
- 注意点:低音がやや強いと感じる人もいる
🥇 上級(2〜4万円前後)
YAMAHA HPH-MT8
フラットな音質と高い解像度が魅力のスタジオモニター。
宅録ナレーションに最適で、声の細かいニュアンスまで逃さずチェックできます。
装着感も安定しており、長時間使用でも疲れにくい設計。
👉 おすすめの人:声を正確にモニタリングしたいナレーター
- 音質:非常にフラットで解像度が高い、声を正確に再現
- 快適性:しっかりした装着感と安定性、長時間でも疲れにくい
- 注意点:モニター志向が強いのでリスニング用途にはやや味気ない
audio technica ATH-M70x
M50xの上位機種で、よりフラットで解像度の高いサウンドを実現。
高域から低域まで均一に再生でき、声の細部までしっかり確認できます。
折りたたみ可能で携帯性もあり、案件対応にも安心。
👉 おすすめの人:案件クオリティをさらに高めたい中〜上級者
- 音質:非常にフラット、声の細かいニュアンスを忠実に再現
- 快適性:頑丈で持ち運びも可能
- 注意点:音楽リスニング用途ではややドライに感じる
👑 超上級(5万円〜)
SHURE SRH1540
高級感のあるデザインと柔らかい装着感が特徴。
解像度が高く、声の微細なニュアンスを丁寧に捉えられます。
密閉型なので録音時のモニターにも使え、プロの宅録環境にも対応できる一本。
👉 おすすめの人:長時間の収録を快適に行いたい人、プロレベルを目指すナレーター
- 音質:解像度が高く、声の立ち上がりもクリア
- 快適性:軽量で装着感に優れ、長時間使用も快適
- 注意点:価格は高めだが、品質に見合う性能
SENNHEISER HD660S2
HD600シリーズの最新モデル。
開放型ならではの自然で広がりのある音場に加え、低域表現が強化されています。
録音中には不向きですが、編集や仕上げの最終チェックで声を自然に聴きたい人に最適。
👉 おすすめの人:録音用に密閉型を併用し、編集で自然な声を確認したい人
- 音質:フラットで自然、低域も豊かで声の厚みを再現
- 快適性:柔らかい装着感で長時間の編集作業にも適する
- 注意点:開放型なので録音モニターには不向き
まとめ
- 初級は1万円以下の密閉型で十分スタート可能
- 案件を受けるなら中級モデルが安心
- プロ志向なら上級〜超上級でスタジオ並みの環境を構築
まずは自分の環境と予算に合わせて選んでみましょう。
👉 マイクやオーディオI/Fの記事も合わせて読めば、宅録環境をトータルで整えやすいですよ。